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HRTechの世界

Grooves Inc.が運営するHR×Technology関連ブログです

転職意識をもつエンジニアの組織の認知タイプ:エンジニア意識調査より

grooves HRTech研究所 平田謙次と申します。HR領域での技術開発・利用について20年以上に渡り、実践および研究に携わっております。不定期になりますが、実践や研究の成果をご報告していきたいと思います。

まず初回では、今年6月に(株)groovesで行いましたITエンジニア意識調査についてご紹介したいと思います。ブログでは調査結果のエッセンスを3回予定しています。第1回目では、転職への意識と組織の捉え方についてです。

1. 調査概要

ITエンジニアが転職を考えるきっかけとなる事態や将来像、組織に求めることを明らかにすることで、エンジニアと組織との最適な関係を構築する要素を明らかにすることと、エンジニアのキャリアや転職における不安の実態を把握しその原因を明らかにすることを目的として調査を行いました。

2. 転職希望

まず、転職希望について年代別の違いを見てみますと、20代前半が45.7%、20代後半で57.9%とそれぞれ高い割合となっています。特に20代後半では、半数以上が転職を希望しているほどです。年代が上がるとともに、転職希望は低下するものの、40代でも17.3%がまだ転職を希望している状況です。

転職の時期について見てみますと、「今すぐ」あるいは「3ヶ月以内」に転職したいと考える割合が、20代前半で21.4%、20代後半で26.3%と最も高く、30代前半と後半では10.2%と6.0%と急激に減少し、40代では4.3%となります。一方、一年程度かけて転職を決めていきたいとする割合は、若い年代も40代も大きな変化は見られませんでした。

このことから、転職希望では、長期的なキャリア形成の視点からの検討と、直近での緊迫事態の回避という2要因があるものと考えられます。

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3. 組織の捉え方・転職を意識するキッカケ

また、この緊迫度は、キャリア設計などの長期的な観点によるズレというよりは、職場環境から不当な扱いをして職場への不適応状態といったことに少なからず関連しているものとも考えられます。そこで、職場環境および組織というものをどのようにエンジニアは捉えているか、また、どんな職場環境の時に転職を意識するかについても尋ねてみました。

組織の捉え方については、「会社の事業サービスの内容」次いで「エンジニア組織におけるカルチャー」「ワークスタイル」「技術力の高いエンジニアが在籍している」が上位となり、重要視しています。開発現場で使われている言語やオフィス環境(ファシリティ)といったものは上位には位置付きませんでした。

転職を意識するキッカケとしては「新しいことにチャレンジしたい」が最も選ばれ、次いで「給与処遇に不満がある」「仕事のやりがいがない、つまらない」、さらには「尊敬できるエンジニアがいない」「周りのエンジニアのレベルが低い」などが選ばれました。不当な扱いに対する不満とともに、新しいことや技術を通した成長ということに重きが置かれていることが伺えました。

4. 転職意識をもつエンジニアの組織の認知タイプ分類

以上を受けて、転職を意識しているときの現所属組織に対する心理的状態としての認知パターンを大まかに4つに分類することができました。

横軸に「転職スパン」として『緊迫』状態ですぐにでも辞めたいか、キャリア設計において『ズレ』が発生し適切な時期に転職しようと考えているかどうか
縦軸に「転職理由」として『成長』が見込めないか、『不当』な扱いを受け不満を持っているか

  1. 失望型 当該職場に成長が見込めず、所属する意味を全く見出せなくなっている
  2. 理不尽型 不当な対応に理不尽さを覚え我慢できなくなっている
  3. 乖離型 将来的において自分の居場所は別の場所にあると考えている 
  4. 不遇型 将来においても、エンジニアが働く職場状況は改善されず報われないと感じている

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5. まとめ

エンジニアがどの程度の割合で転職を希望しているか、そして、なぜ転職の希望に行き着いてしまうかについて、エンジニアが組織を捉える視点と実際に転職を考えるキッカケとなる事態についてご紹介しました。エンジニアと組織との関係を改善なしでは、早かれ遅かれ組織を離れていくことになりかねません。エンジニア不足はまだまだ続くことを考えますと、企業側で働きやすい環境を整えて、エンジニアが組織に対して適切な認識が持てるように、一層努力が求められてくるでしょう。

青色にあるような組織要素の強みをより引き出し、組織内で訴求していき、緑色にあるような事態が発生していないよう、しっかり対策しておくことで、エンジニアを惹きつける魅力的な職場を構築することができることでしょう。

 

つづく、